PPIを服用している患者に貧血があるとき.一度はビタミンB12欠乏を考慮すべきだという意見があった.どの程度PPIがビタミンB12欠乏に関与するのか気になったので調べてみた.
1997年から2011年の間にKaiser Permanente Northern California populationに登録された. ビタミンB12欠乏と診断された25,956名と診断されていない184,199名の症例対照研究.JAMA. 2013;310(22):2435-2442.
コントロールは性別,人種,生年月日,KPNCに登録された期間などでマッチされている.
暴露群ではPPIを0.75pill/day未満,0.75-1.49/day,1.5pill/day以上でカテゴライズ
また,少なくとも2年以上処方されている者を暴露群としている.
母集団
アウトカム
PPIとビタミンB12欠乏の関係
H2RAとビタミンB12欠乏の関係
・ビタミンB12欠乏は2年以上PPIを処方されている患者群で非使用者に比べて一般的(OR, 1.65 [95% CI, 1.58-1.73]).
・2年以上H2RAを処方されている患者でも一般的に見られる (OR, 1.25 [95% CI, 1.17-1.34]).
使用期間とビタミンB12欠乏の関係
・統計学的有意をもってPPI使用者と非使用者間ではPPIの使用期間とビタミンB12欠乏との関係性が増す.
直近で使用されていた時期で層別化:2年以上のPPI使用とビタミンB12欠乏診断との関係
使用をやめた時期によってビタミンB12欠乏とPPIの相関が弱まる.
Recent users:OR, 1.80 [95% CI, 1.51-2.14]
Former users:OR, 1.43 [95% CI, 1.11-1.85]
Remote users:OR, 1.38 [95% CI, 1.14-1.66]; P = .007
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- PPI・H2RAの使用量・使用期間はビタミンB12欠乏と関係しており,PPI・H2RAを適正に使用する事を心がけなければならない.
- 特に膠原病患者でPPIを使用し続けている人はビタミンB12欠乏を一度考慮するべき.汎血球減少症を来す疾患の影に隠れているかもしれない.
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