夜に小児の頭部外傷が来て対応した、
小児の意識障害
客観的評価するには有用だが、判断はなれないと難しい→ 母親にいつもとなにが違うが聞けばよい。
小児のGCSの取り方。
・EとMはほぼ同じ
・Vは笑顔で声に反応、物を視線で追えば5
・あやして泣きやむ場合や、反応が不適切な場合は4
・うめいていれば3
・泣きやまない場合や落ち着きなければ2
22,722人の小児頭部外傷の統計(CHALICE rule)
以下の項目いずれか一つでもあれば 感度98.6 (96-100)%、特異度87 (86.5-87.4)% LR+=7.6 (7.3-7.8)、LR-=0.02 (0.01-0.04) で頭蓋内損傷を予測できる。 Arch Dis Child. 2006 Nov;91(11):885-91 |
・高エネルギー外傷(高速交通外傷、3M以上からの転落、 ・意識消失>5分、健忘>5分 ・意識障害(意識朦朧、GCS<14、1歳未満ではGCS< ・外傷後けいれん ・穿通・陥没外傷疑い、頭蓋底骨折疑い ・神経巣症状 ・嘔吐≧3回 ・虐待疑い ・大泉門膨隆 ・1歳未満で5cm以上の血腫・裂創 |
2歳以上と2歳未満を分けて考える
・ 2歳以上では症状と意識障害だけで頭蓋内損傷はほぼ検出可能とさ れる。
・1歳未満では軽度の外力でも頭蓋内損傷が多いだけではなく、 無症候性頭蓋内損傷が多い。
・無症候性頭蓋内損傷は生後6ヵ月未満で27%、生後6- 12か月で15%、1歳以上では0% Ann Emerg Med. 1998 Dec;32(6):680-6. よって、1歳未満では頭蓋内損傷の可能性を症状だけで判断しては いけない。
頭皮血腫の有無を診る
・昔は頭皮血腫は頭蓋内損傷に関してはリスクではないとされた( AJR Am J Roentgenol. 1984;143:661-4)が、現在では2歳未満の小児に対 して、症状+頭皮血腫で頭蓋内損傷の感度95-100% とされ非常に重要と考えられている。
・後頭部・側頭部の血腫と比較して前頭部の血腫はリスクは低い( Pediatr Emerg Care 2001;17:88-92)
・生後3か月未満では症状+頭皮血腫でも8%の見落としがあり、 現時点では軽微な外傷でない限りCT施行が勧められている。Pe diatrics. 1999 Oct;104:861-7
小児CTの基準
以下のいずれかあればCT
・常識的なリスク(高エネルギー、意識消失・健忘、けいれん、 骨折疑い、神経症状、頻回嘔吐)
・忘れていけない虐待疑い、大泉門膨隆
・1(-2)歳未満の頭皮血腫/裂創
・生後3ヵ月未満の軽微ではない外傷
小児のCT検査には親が立ち会う。
・子供の不安感をとり、鎮静剤なくCTを成功させるため
・われわれの被爆を避けるため
それでも被爆・手間・コストなどの問題が大きい。
・ガイドラインに沿うとCTが8倍に増える(Emerg Med J 2005;22:541)
CTを減らす工夫を
リスクが低いとされる頭部外傷は以下の2つ
・1M以下で、床が固くない場合の転落
・2時間以上無症状
CT迷う生後3か月以上だが、CT撮影難しい場合
・ CTが正常でも後に症状出る可能性あることからむしろ症状が重要 であること」を説明し、2時間の経過観察。
・単純レントゲン写真。
・家族が納得する。
・単純Xp陰性でもCT陰性とは言えないが、 骨折あれば頭蓋内損傷が0.6%から29%となる( Pediatrics 1999;104:861-7)
以上です!
0 件のコメント:
コメントを投稿