2022年9月23日金曜日

小児頭部外傷

夜に小児外傷が来て対応した、というイベントがありました。


小児の意識障害
客観的評価するには有用だが、判断はなれないと難しい→母親にいつもとなにが違うが聞けばよい。
小児のGCSの取り方。
・EとMはほぼ同じ
・Vは笑顔で声に反応、物を視線で追えば5
・あやして泣きやむ場合や、反応が不適切な場合は4
・うめいていれば3
・泣きやまない場合や落ち着きなければ2

22,722人の小児外傷の統計(CHALICE rule)
以下の項目いずれか一つでもあれば 
感度98.6 (96-100)%、特異度87 (86.5-87.4)% LR+=7.6 (7.3-7.8)、LR-=0.02 (0.01-0.04)
蓋内損傷を予測できる。
                            Arch Dis Child. 2006 Nov;91(11):885-91
・高エネルギー外傷(高速交通外傷、3M以上からの転落、高速の物質衝突)
・意識消失>5分、健忘>5分
・意識障害(意識朦朧、GCS<14、1歳未満ではGCS<15)
・外傷後けいれん
・穿通・陥没外傷疑い、蓋底骨折疑い
・神経巣症状
・嘔吐≧3回
・虐待疑い
・大泉門膨隆
・1歳未満で5cm以上の血腫・裂創

2歳以上と2歳未満を分けて考える
2歳以上では症状と意識障害だけで蓋内損傷はほぼ検出可能とされる。
・1歳未満では軽度の外力でも蓋内損傷が多いだけではなく、無症候性蓋内損傷が多い。
・無症候性蓋内損傷は生後6ヵ月未満で27%、生後6-12か月で15%、1歳以上では0% Ann Emerg Med. 1998 Dec;32(6):680-6. よって、1歳未満では蓋内損傷の可能性を症状だけで判断してはいけない。

皮血腫の有無を診る
・昔は皮血腫は蓋内損傷に関してはリスクではないとされた(AJR Am J Roentgenol. 1984;143:661-4)が、現在では2歳未満の小児に対して、症状+皮血腫で蓋内損傷の感度95-100%とされ非常に重要と考えられている。
image.png

・後・側の血腫と比較して前の血腫はリスクは低い(Pediatr Emerg Care 2001;17:88-92)
生後3か月未満では症状+皮血腫でも8%の見落としがあり、現時点では軽微な外傷でない限りCT施行が勧められている。Pediatrics. 1999 Oct;104:861-7

小児CTの基準
以下のいずれかあればCT
・常識的なリスク(高エネルギー、意識消失・健忘、けいれん、骨折疑い、神経症状、頻回嘔吐)
・忘れていけない虐待疑い、大泉門膨隆
・1(-2)歳未満の皮血腫/裂創
・生後3ヵ月未満の軽微ではない外傷
小児のCT検査には親が立ち会う。
子供の不安感をとり、鎮静剤なくCTを成功させるため
・われわれの被爆を避けるため
それでも被爆・手間・コストなどの問題が大きい。
・ガイドラインに沿うとCTが8倍に増える(Emerg Med J 2005;22:541)

CTを減らす工夫を
リスクが低いとされる外傷は以下の2つ
・1M以下で、床が固くない場合の転落
・2時間以上無症状
CT迷う生後3か月以上だが、CT撮影難しい場合
CTが正常でも後に症状出る可能性あることからむしろ症状が重要であること」を説明し、2時間の経過観察。
・単純レントゲン写真。
・家族が納得する。
・単純Xp陰性でもCT陰性とは言えないが、骨折あれば蓋内損傷が0.6%から29%となる(Pediatrics 1999;104:861-7)

以上です!

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夜に 小児 の 頭 部 外傷が来て対応した、 というイベントがありました。 小児 の意識障害 客観的評価するには有用だが、判断はなれないと難しい→ 母親にいつもとなにが違うが聞けばよい。 小児 のGCSの取り方。 ・EとMはほぼ同じ ・Vは笑顔で声に反応、物を視線で追えば5 ・あ...