2017年6月10日土曜日

経皮的酸素分圧測定とPAD

糖尿病性足壊疽の患者をみているのでPADと、また今回新たに用いた検査である経皮的酸素分圧測定について勉強

PADの症状としては間欠性跛行が有名。 
間欠性跛行:血管性か神経性か 呼吸と循環. 2013;61(9)-812-818


PADの鑑別診断
下肢症状を訴える患者の特徴 呼吸と循環. 2013;61(9)-812-818


下肢症状を訴える患者の診察の進め方 呼吸と循環. 2013;61(9)-812-818

基本的にはABIの測定を行う。

PADのマネジメント 呼吸と循環. 2013;61(9)-812-818
 

さて経皮的酸素分圧測定についてです。
足の血管走行: 臨床検査.2017;61(3):246-252


  • 下腿には前脛骨動脈,腓骨動脈,後脛骨動脈の3本がある
  • 前脛骨動脈支配で 1つ,腓骨動脈支配で 2つ,後脛骨動脈支配で3つのangiosomeがあり,治療の指標
  • Angiosomeとは主要血管の解剖学的血行支配領域
  • 足背は主に前脛骨動脈,足底は主に後脛骨動脈の支配領域
  • CLI において創傷治癒が可能な血流を得るために,創部が存在するangiosomeを支配する血管への血行再建が有効
tcPO2測定原理



  • 皮膚に貼り付けたクラーク型の酸素電極(隔膜型微小白金電極)の加温によって毛細血管の充血 (動脈血増加)が起こる.
  • 酸素解離曲線の右方移動の結果,毛細血管内の血中 O2 が上昇する.
  • 毛細血管の血流量が増え,皮下近くまで酸素を多く含んだ血液が流れる.
  • 皮膚表面に達した酸素は電極のメンブランを通過し,電極液に拡散.白金陰極で還元され電子が発生する.
  • 酸素分圧に比例した電流が生じ,この電流の大きさからtcPO2 値が算出される.
臨床判定

  • 観測部位が安静時仰臥位で 10 mmHg 未満,また下腿下垂位で 45 mmHg 未満であれば CLI と診断.

  • Wifi分類では,30mmHg以下で重症となる J Vasc Surg. 2014; 59: 220–234.

       



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