病歴聴取がアナフィラキシー反応やエピソードの原因を決めるために最も重要.
アナフィラキシー患者の問診事項 Ann Allergy Asthma Immunol. 2015 Nov;115(5):341-84.
- イベント発症前6時間以内の食餌歴(食物・飲料物・薬剤)の詳細な病歴聴取
- 発症時,どのような活動を行っていたか
- 発症時の場所(家,学校,職場,屋内/屋外)
- 寒冷・暖房にさらされていたか
- ダニやツツガムシに4週間以内に刺されていないか
- 日中か,夜間か
- 発症からの時間
- 初回に軽快した後に再発した症状
- 正確な症状(例えば皮疹であれば,紅潮しているか,掻痒感があるか,蕁麻疹,血管浮腫)
- 女性であれば,生理周期とイベントの関係
- 医療介入が与えられているか?どのような治療がなされているか?
- 回復までにどれくらいの期間かかるか,症状フリー期間に症状の再発があるか
- 前回のエピソードの前に患者によってストレスがどの程度のレベルで認知されているか
- 最近の疾患や感染症はないか
- 旅行歴はないか
- 前回の同様の症状が会ったときの処方
- 熱,運動,アルコール摂取により軽度の症状が出現しないか
アナフィラキシーの主な原因物質 Anaphylaxis: Novartis Foundation Symposium 257. London: John Wiley & Sons; 2004: 101-115.
食物 ー小児:卵、乳製品、豆乳 成人:ピーナッツ、ナッツ、魚介類
薬物 ー抗菌薬(βラクタムが一般的)、麻酔薬、造影剤. アロプリノール,ACEIs,アスピリン,インターフェロン,NSAIDs,麻薬.
蜂刺症 ーミツバチ、スズメバチ、カリバチ
ワクチン ー卵、ゼラチン、ネオマイシンなどとの交差反応
運動誘発性ー半数以上は運動前の特有の食物摂取によると考えている
特発性 ー原因不明(約20%)
Am Fam Physician. 2011 Nov 15;84(10):1111-8.
アナフィラキシーのERでの診断と実際の診断の差異
J Allergy Clin Immunol Pract. 2015 Jan-Feb;3(1):88-93.
アナフィラキシー発生のリスク,重症度を上げる,また治療困難になる可能性のある要因
Ann Allergy Asthma Immunol. 2015 Nov;115(5):341-84.
アナフィラキシーの身体症状 Am Fam Physician. 2011 Nov 15;84(10):1111-8.
アナフィラキシーの症候とその頻度 (J Allergy Clin Immunol 115(3 Suppl): S483-523, 2005)
アナフィラキシーの診断基準 Am J Med. 2014 Jan;127(1 Suppl):S6-11.
アナフィラキシーの鑑別診断 Ann Allergy Asthma Immunol. 2015 Nov;115(5):341-84.
アナフィラキシーの治療 Ann Allergy Asthma Immunol. 2015 Nov;115(5):341-84.
Ann Allergy Asthma Immunol. 2015 Nov;115(5):341-84.
上記20項目に注意して診察・加療する.
アナフィラキシーのマネジメント Am Fam Physician. 2011 Nov 15;84(10):1111-8.
エピネフリン 0.3-0.5mg 大腿外側に筋注
・α1受容体刺激で血管収縮、β1作用にて心臓に陽性変力・変時作用、β2作用で気管拡張
エピネフリン筋注で効果なし → エピネフリン静注
・0.1%エピネフリンアンプル(1mg入)からツベルクリン反応用注射器で0.1mL(=0.1mg)とり、NS10mLに混注し、5-10分かけて静注
βブロッカーを服用している場合
グルカゴン 1-5mg静注を5分おき
・β受容体を介さずに細胞内cAMPを合成し、β作用をもたらす。
その他
・H1ブロッカーは作用発現は1-3時間かかり、皮膚症状にしか有効ではない。
・H2ブロッカーを併用すると皮膚症状に有効
・ステロイドも作用発現に4-6時間かかる。二相性反応への効果を期待して用いる。
SAFEアプローチ
・3-20%が2回目のアナフィラキシーを起こす(Ann Allergy Asthma Immunol 95: 217-226, 2005)
・症状軽快後3-4時間後までに起こることが多いが72時間後にまで起こりうる。
・βブロッカーを服用している患者で生じやすい。
・4-8時間は経過観察が必要となる。
SAFEアプローチ
・Seek support:付き添い人を確認
・Allergen:アレルゲンを発見、再度の曝露を避ける
・Follow up:かかりつけ医、アレルギー専門医のフォローアップを約束させる
・Epinephrine:渡すと同時にどう使うか指導する。
cf.エピペンの使い方
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